2008-01-01から1年間の記事一覧

「不確定性のコミニケーション」の失敗を踏まえて、それからブログの今後

確かに、「はっきりとは分からない」と書いた事による「不確定性のコミニケーション」の失敗があったかもしれません。今後機会がありましたら、気をつけたいとおもいます。「不確定」をどう伝えるかが大事である事を踏まえて、昨日の続きを少し冷静に書きま…

「不機嫌な気候が世界を変える」さんへ -- 確実性と可能性の違い

私のブログの事が書かれていました。 温暖化の真偽 また、あるブログでは温暖化の適応の専門家のくせに真偽不明とか語りだすものもいる。また、それに騙されるものも、またいる。・・・温暖化の適応の専門家のくせをして、科学的には分からないとか言い出すb…

ソローの『経済の本質』の批判 -- 経済学の勘違い

何だか下らなそうな環境の本を、経済学の大御所ソローが厳しく批評しているの見つけた。 これを述べるのは一度だけにしようと思うけれど、ジェイコブスやその登場人物たちは、「経済学者」たちが何を考えて何をするのかについて、ものすごく無知をさらけだし…

赤道原則の説明

前回、赤道原則の事を書きました。せっかくですから赤道原則の要約を簡単に書いておきます。いつものブログは思いつきで書いていますが、今回は少し計画を立てて書きましたので、多少読みやすいと思います。 投資プロジェクトと環境問題 投資プロジェクトと…

格差問題ではなく絶対的貧困 -- 「セカンド・チャンス」が必要です!

環境の仕事をしていると無条件に共産的な考えを持っていると思われることがある。しかし、実際はかなり市場経済学的な考えを持っているので、完全自由主義的考えを持っていると思われることもある。本当は、中庸で真ん中です。僕のしていることは、ピュアな…

赤道原則によるマイクロ・ファイナンスの貸付規則の奨励

すこし、マイクロ・ファイナンスの動きが面白くなってきました。前にも、マイクロ・ファイナンスは金利が高すぎて自殺者が出るぐらいだと書きました。これらの問題が投資銀行が作った赤道原則に従うことで、改善されるかもしれません。改善が要求されている…

地球温暖化か寒冷化か?-- 予測の限界

mikeexpo 2008/06/14 04:51 先日は当方ブログhttp://blogs.yahoo.co.jp/mikeexpo2000にコメントいただきありがとうございました。 時に、教えていただけるとうれしいのですが、池田信夫氏がしきりと地球寒冷化を叫んでおりますが、事実はどうなのでしょうか…

温室効果ガスの排出権取引の将来と余剰投機資金:「1,000兆円はどこへ行く」

温室効果ガスの排出権取引の議論が活発になっていますね。以前、日本のセクター・アプローチにこだわりすぎることの批判を少し書きましたが、海外でもこのアプローチを受け入れてくる方々が多くなってきて、うれしい誤算になりそうです。 このEUと日本の制度…

Open発展モデル

友人というにはおこがましいほど憧れている、モハメッドという発展と災害のスペシャリストの知り合いがいる。彼は国連や世界銀行の仕事で発展途上国を飛んで回っている。彼は何年もアフガンの発展策にも関わっているが、最後にアフガンから帰ってきたとき: …

バイオ燃料は食糧危機の犯人か

バイオ燃料が食糧危機の発端の様な事がよく言われますがどうでしょう。結論から先にいうと、「今がチャンス」とお金が余っていた投資家が、食糧危機に絡んで投機的資金が穀物市場に流したのと、マスコミに躍らせれているだけでしょう。バイオ燃料のニュース…

ドン・ファデム 卒業

博士過程は実質3年前に終わっていたが、色々とセンチメンタルな理由で卒業式に出ないことにしていた。オックスフォード大学では、入学式のマティキュレーションは合同で一斉に行うが、卒業式はすごく個人的で、毎月行われており、いつでも出てもよい。実際、…

慌しい一週間

私のブログを楽しみに待っている人がいるとは思っていませんが、もしそんな方がいましたら、更新していなくて申し訳ありません。スウェーデンに出張から帰ってきてからの方が忙しかったです。今週しなくてはいけなかった事が: オックスフォード大学の二人の…

無駄な公共事業の先に「国破れて山河在るのか?」

スウェーデンで何人かの日本人のエネルギー研究者の方と話をさせていただいた。日本の官指導のエネルギー政策に疑問視をされておられる方も何人かいた。その中で、元民主党議員で、2002年に殺害された石井紘基氏の話を聞いた。恥ずかしながら、海外で博士課…

ゴキブリ式な開発計画と意思決定

池田氏のこの発言はファイナンスの世界だけでなく、「適応プランニング」として、発展問題でも言われている。 本書の提案するリスク管理は、ゴキブリ式である。ゴキブリのセンサーは空気のわずかなゆらぎを検知する機能しかなく、それに反応して瞬時に逃げる…

森林資源によるバイオ燃料の可能性

マスコミの加熱した報道もあり、最近はバイオ燃料と聞くと「食料危機」を思い浮かべる人が多いだろうが、食料と原材料が競合しないバイオ燃料も多いっていうか、今までビジネスとして成り立っているバイオ燃料は、ほとんど「ゴミ」から作られてきた物だろう…

南ア通貨のランドの下落

数ヶ月前に書きましたが、南アフリカは日本の政府がすすめる5つ国の投資先のひとつです。しかし、南アの友人はその時、海外の人には分からない悪い流れかあると言っていました。 南アフリカではグラミン銀行の様な、近代的なマイクロ・ファイナンスがあまり…

明日から一週間スットクホルムに行って来ます。

自分の職場の本部に来週一週間乗り込みます。ブログ書く時間ないかもしれません。

「XO」ノートPC次期モデルは「発展と教育」に役に立つのだろうか。

フォトレポート:絵で見る「XO」ノートPC次期モデル:ニュース - CNET Japan via kwout「一人の子供に一つのラップトップ」プログラムをご存知でしょうか。数年前からMITのメディア・ラボが設計した「$100ラップトップ」を途上国に配るプログラムとして計…

日本の温暖化「緩和策」は「後だしジャンケン」でわざと負けるようなものか?

木村先生のブログをよく読んでいるが、この意見には同意するところが多い。 私は、地球温暖化が陰謀なのか否かについては熟知していませんし、正直申し上げて、規制の流れが既往路線として定まってしまっている今、その真偽を究めることが最優先課題であると…

些細なことが社会に安定を与える(日本語版)

ナフィールド・カレッジで、2005年に経済学でノーベル賞を取ったトーマス・シェリング教授のセミナーに出席しました。人間の行動学としてのマイクロ経済学が昔から好きですし、私のオックスフォードでの博士の一部は、マイクロ行動がマクロレベルの現象をど…

些細なことが社会に安定を与える(英語版)

昨日、2005年にノーベル経済学賞をとったトーマス・シェリング教授のセミナーに行ってきました。50人入ればいっぱいになるネフィールド・カレッジの”大”講義室でこんな有名な人のセミナーが聞けるのもオックスフォードならではでないでしょうか。感想を英語…

UbuntuのJavaで日本語入力問題

Ubuntu や Fedora などで Java GUI アプリケーションで日本語入力がちゃんと動かない場合があります。これは多くの Linux ディストリビューションで使われている入力フレームワークの SCIM をまだサポートできていないからですね。 * 6469064 : RFE: Support…

人口増加と移民問題:「資源の限界」を「マイノリティー・ゲーム」から見る(ちょっとこじつけ注意)

今週末は、学術本の章の最終稿を作っていて終わってしまった。こういった事を平日やる時間がありません。自分の博士論文が元になっているので、久しぶりに引っ張ってきて読んでみて、「おもしろいことやってたんやな」と思いました。4、5年前は命より大事な…

マッド・サイエンティストへのススメ:倫理観にとらわれるな!

アクティベストの問題を僕も何度か書いているが、下記のブログに書かれていることに共感する。 鯨が殺されるとき苦しむとすれば、牛も豚も鼠もゴキブリも、殺されるときには苦しむ。さらに「すべての生命を尊ぶ」ことを原則にするなら、菜食主義でさえ無罪で…

数学と科学の違いに見る科学の定義

上に書いた事とは別の着眼点から見た科学の定義です。勉強になりました。 すでに多くの回答が寄せられているのだけど、私の回答は以下のとおり。 数学は人が採点するが、科学は宇宙が採点するから数学(mathematics)では、公理(axiom)から定理(theorem)を導き…

規模に左右されにくい対策とは:「事前対策」と「事後対策」の限界

中国とミャンマーで同時に災害が起こっていますね。 今日ボスがインドから約一ヶ月ぶりに帰ってきて、ちょうどその話になった。ミャンマーは『インドの「早期警報システム」の恩地に預かれるはずなのにこうなってしまったね』と言っていた。中国の地震も予測…

「負けない為」の意思決定論が通用する分野

何十年も前から、Operation researchなどでCost-benefit analysisなどの効用最大化による意思決定論の代わりとして堅固な意思決定論があります。効用最大化とは「勝つため」の意思決定です。その頃の研究者達で、もっと守りの意思決定論もあってもいいのでは…

複雑系は疑うことから始めよう

複雑系といわれる研究に興味があるし、関わったことがあるので、下記のブログで言っていることは良く分かる。 私は、「バグのないソフトウェア」を信じない。しかし、バグを報告したり、直してくれたりする人々が存在することもまた知っている。ソフトウェア…

温暖化・気候変動は「起こっているのか」の議論

数日前の議論*1の続きが、下記のブログで出ていますね。指摘していることへの反論も多少あるが、自然科学は白黒はっきりさせられないグレーな世界なので、この手の議論が出来る事は、日本の社会がある意味健全なのかもしれません。イギリスの気候変動と気候…

Virgleの火星移民プロジェクトを聞いて思う

実は、友人からこのGoogleとVirginの火星移民プロジェクトを聞いて、すこし思ったことです。Virgle: The Adventure of Many Lifetimes via kwout もちろん、遅れて知ったエプリール・フールの大ねたですよ。でも、本当に必要かもしれませんね。[…