バイオ燃料は食糧危機の犯人か

バイオ燃料が食糧危機の発端の様な事がよく言われますがどうでしょう。結論から先にいうと、「今がチャンス」とお金が余っていた投資家が、食糧危機に絡んで投機的資金が穀物市場に流したのと、マスコミに躍らせれているだけでしょう。

バイオ燃料のニュースを見ると、アメリカのとうもろこしの映像を良く映るが、アメリカは今のところバイオ燃料のビック・プレイヤーではないし、とうもろこしも今のところバイオ燃料の一番重要な作物でもない。

ただ、アメリカで起こったことは何でもビッグニュースであり、アメリカのとうもろこしは、とうもろこし市場のビック・プレイヤーなので、論理的でないつながりで、「バイオ燃料=悪」になってしまっていると思います。


もちろん、バイオ燃料の動きに注意しなくてはいけませんが、バイオ燃料は基本的にゴミから燃料を作る話であり、とうもろこし以上に重要な材料は、おがくず、サトウキビ、やし油、ジェトロファ、汚物、そして第二世代ではいかなる作物のセルロース

とうもろこし以外で、サトウキビ、やし油だけがバイオ燃料の他に使い道がある作物である。

やし油も批判にさらされているが、やし油のほとんどは化粧品などに使われており、バイオ燃料に使われている割合は10%以下である。

サトウキビのバイオ燃料といえば、ブラジルである。彼らもまずサトウキビから50%の砂糖をとり、残りかすのサトウキビからバイオ燃料を生成している。ブラジルがサトウキビのバイオ燃料に使っている土地は国土の1%にしか過ぎない。それに、アマゾンはサトウキビの作付けには適していない。その為、「サトウキビのバイオ燃料=アマゾン伐採」も間違いである。

加えるなら、1%の国土から、彼らは50%のブラジルのガソリン需要を作っているし、輸出もしている。ガソリンが代替燃料になっているのである。

汚物からつくるバイオ燃料は、村の衛生問題も解決できるし、おがくずも他に使い道はない。米など、バイオ燃料に関係ないのに、そのことには公言しない。

上に述べたように、アメリカのとうもろこしは、ビック・プレイヤーではない。しかし、報道はこればかり話す。

まとめると以下のとうりでしょうか。

アメリカ」=「農業大国」
アメリカの事」=「ビック・ニュース」
アメリカのバイオ燃料」=「アメリカのとうもろこし」
「一部のとうもろこし」=「一部のバイオ燃料
アメリカのとうもろこし」=「とうもろこし市場ののビック・プレイヤー」



しかし:



アメリカのバイオ燃料」≠「バイオ燃料のビック・プレイヤー」
「とうもろこし」≠「バイオ燃料のビック・プレイヤー」
「他の食物」≠「バイオ燃料のビック・プレイヤー」



これで何故だか:



バイオ燃料」=「食糧危機の犯人」

今の段階で、将来のエネルギー代替になるオプションを排除すべきでないと思う。

過去の「バイオ燃料」の記事

マスコミの加熱した報道もあり、最近はバイオ燃料と聞くと「食料危機」を思い浮かべる人が多いだろうが、食料と原材料が競合しないバイオ燃料も多いっていうか、今までビジネスとして成り立っているバイオ燃料は、ほとんど「ゴミ」から作られてきた物だろう。

バイオ燃料対食料」が一般化して、「使われ方」や「バイオ燃料のもと」を考慮にいれず途上国のバイオ燃料のプロジェクトに支援が得られなくなることが心配です。

これらの利点がありながら、クリーンな燃料への転換が難しい。インフラの整備が整っていないので単に現実的なオプションでないとか、文化的なバリアがあったりとか色々問題がある。その中で特に大きい問題はコストが違いすぎるからである。といっても、実は見た目だけの「金銭的」なコスト。森から取れる燃料は、田舎に住んでいたら自分の労力だけの手に入る。しかし、一日に10キロ以上歩き回り、何時間もかかって燃料をあつめなくていはいけないのは相当なコストだ。


アフリカのバイオ燃料への投資は農業技術の発展にもつながるので、アフリカでは「バイオ燃料 VS. 食料」の単純化はできない。

外部のブログ

それよりも問題視すべきは、過度な投機資金を生み出している世界的な過剰流動性なのではないでしょうか。異常な低金利を持続し続けてきた日本や膨張した信用取引を可能にし続けてきた米国を中心に、実物経済と比較すると過剰な流動性がグローバルな経済の中でうごめいています。

食糧サミットでは、どうやら、食糧増産の方法やら「今後の対策」に関する議論が中心になるようだが、私にいわせれば、犯人捜しの方が先決である。穀物価格の上昇によって大儲けした連中をテーブルの上にならべて、相互の関係をつまびらかにすれば、誰が仕組んだことなのかはっきりするはずだ。とはいえ、仮にそうした議論が行われ、食糧の投機的な取引に関しては何らかの歯止めが講じられたとしても、投機マネーは、既に次のターゲットの物色に入っているだろう。原油、資源、食糧とターゲットは変遷してきたが、次に向かうのは、たぶん水資源だろう。