2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴキブリ式な開発計画と意思決定

池田氏のこの発言はファイナンスの世界だけでなく、「適応プランニング」として、発展問題でも言われている。 本書の提案するリスク管理は、ゴキブリ式である。ゴキブリのセンサーは空気のわずかなゆらぎを検知する機能しかなく、それに反応して瞬時に逃げる…

森林資源によるバイオ燃料の可能性

マスコミの加熱した報道もあり、最近はバイオ燃料と聞くと「食料危機」を思い浮かべる人が多いだろうが、食料と原材料が競合しないバイオ燃料も多いっていうか、今までビジネスとして成り立っているバイオ燃料は、ほとんど「ゴミ」から作られてきた物だろう…

南ア通貨のランドの下落

数ヶ月前に書きましたが、南アフリカは日本の政府がすすめる5つ国の投資先のひとつです。しかし、南アの友人はその時、海外の人には分からない悪い流れかあると言っていました。 南アフリカではグラミン銀行の様な、近代的なマイクロ・ファイナンスがあまり…

明日から一週間スットクホルムに行って来ます。

自分の職場の本部に来週一週間乗り込みます。ブログ書く時間ないかもしれません。

「XO」ノートPC次期モデルは「発展と教育」に役に立つのだろうか。

フォトレポート:絵で見る「XO」ノートPC次期モデル:ニュース - CNET Japan via kwout「一人の子供に一つのラップトップ」プログラムをご存知でしょうか。数年前からMITのメディア・ラボが設計した「$100ラップトップ」を途上国に配るプログラムとして計…

日本の温暖化「緩和策」は「後だしジャンケン」でわざと負けるようなものか?

木村先生のブログをよく読んでいるが、この意見には同意するところが多い。 私は、地球温暖化が陰謀なのか否かについては熟知していませんし、正直申し上げて、規制の流れが既往路線として定まってしまっている今、その真偽を究めることが最優先課題であると…

些細なことが社会に安定を与える(日本語版)

ナフィールド・カレッジで、2005年に経済学でノーベル賞を取ったトーマス・シェリング教授のセミナーに出席しました。人間の行動学としてのマイクロ経済学が昔から好きですし、私のオックスフォードでの博士の一部は、マイクロ行動がマクロレベルの現象をど…

些細なことが社会に安定を与える(英語版)

昨日、2005年にノーベル経済学賞をとったトーマス・シェリング教授のセミナーに行ってきました。50人入ればいっぱいになるネフィールド・カレッジの”大”講義室でこんな有名な人のセミナーが聞けるのもオックスフォードならではでないでしょうか。感想を英語…

UbuntuのJavaで日本語入力問題

Ubuntu や Fedora などで Java GUI アプリケーションで日本語入力がちゃんと動かない場合があります。これは多くの Linux ディストリビューションで使われている入力フレームワークの SCIM をまだサポートできていないからですね。 * 6469064 : RFE: Support…

人口増加と移民問題:「資源の限界」を「マイノリティー・ゲーム」から見る(ちょっとこじつけ注意)

今週末は、学術本の章の最終稿を作っていて終わってしまった。こういった事を平日やる時間がありません。自分の博士論文が元になっているので、久しぶりに引っ張ってきて読んでみて、「おもしろいことやってたんやな」と思いました。4、5年前は命より大事な…

マッド・サイエンティストへのススメ:倫理観にとらわれるな!

アクティベストの問題を僕も何度か書いているが、下記のブログに書かれていることに共感する。 鯨が殺されるとき苦しむとすれば、牛も豚も鼠もゴキブリも、殺されるときには苦しむ。さらに「すべての生命を尊ぶ」ことを原則にするなら、菜食主義でさえ無罪で…

数学と科学の違いに見る科学の定義

上に書いた事とは別の着眼点から見た科学の定義です。勉強になりました。 すでに多くの回答が寄せられているのだけど、私の回答は以下のとおり。 数学は人が採点するが、科学は宇宙が採点するから数学(mathematics)では、公理(axiom)から定理(theorem)を導き…

規模に左右されにくい対策とは:「事前対策」と「事後対策」の限界

中国とミャンマーで同時に災害が起こっていますね。 今日ボスがインドから約一ヶ月ぶりに帰ってきて、ちょうどその話になった。ミャンマーは『インドの「早期警報システム」の恩地に預かれるはずなのにこうなってしまったね』と言っていた。中国の地震も予測…

「負けない為」の意思決定論が通用する分野

何十年も前から、Operation researchなどでCost-benefit analysisなどの効用最大化による意思決定論の代わりとして堅固な意思決定論があります。効用最大化とは「勝つため」の意思決定です。その頃の研究者達で、もっと守りの意思決定論もあってもいいのでは…

複雑系は疑うことから始めよう

複雑系といわれる研究に興味があるし、関わったことがあるので、下記のブログで言っていることは良く分かる。 私は、「バグのないソフトウェア」を信じない。しかし、バグを報告したり、直してくれたりする人々が存在することもまた知っている。ソフトウェア…

温暖化・気候変動は「起こっているのか」の議論

数日前の議論*1の続きが、下記のブログで出ていますね。指摘していることへの反論も多少あるが、自然科学は白黒はっきりさせられないグレーな世界なので、この手の議論が出来る事は、日本の社会がある意味健全なのかもしれません。イギリスの気候変動と気候…

Virgleの火星移民プロジェクトを聞いて思う

実は、友人からこのGoogleとVirginの火星移民プロジェクトを聞いて、すこし思ったことです。Virgle: The Adventure of Many Lifetimes via kwout もちろん、遅れて知ったエプリール・フールの大ねたですよ。でも、本当に必要かもしれませんね。[…

「環境学は誰のためか」

昨今の気候変動などを「地球を守る」といっているニュースがあるが、つまるところ環境学は人類のための人類による研究だと思う。経済学と生態学の学位を同時に取ったが、非常に似たような論理やモデルをみた。双方とも、基本的には行動学的に論理的にマクロ…

温暖化・気候変動は「人が起こしたか」の議論

欧州連合の気候変動・温暖化プロジェクトに関わっているのでちょっと自分の意見をまとめます。「人」が気候変動を起こしたかどうかの議論はされ続けるべきだ。このブログでもよく書いているが、気候変動が「宗教」になってしまって、反対意見を述べることが…

デカイ事をさせるには「失敗する権利」をあたえる

大人になってからの勉強は効率を求めてしまうが、失敗することから学ぶことが多いです。なかなかセカンド・チャンスをくれる世の中ではないので、どうしても、失敗することを恐れてしまいます。だから、小中高のときにもっと失敗することを恐れずに、新しい…

イノベーションは「開かれた世界」の方が活発だ:「共同」メガ・プロ

アテネのCirceのプロジェクト会議が終わり、オックスフォードに帰る準備をしている。いつも思うのが:「こんなメガ・プロジェクトをやる意味があるのだろうか?」このCirceプロジェクトには60以上の研究所が関わっている。僕が関わっているADAMプロジェク…

温暖化・気候変動がGDP(国内総生産)に与えるインパクトはどれだけ

今回のCirceプロジェクト会議は実りある物だった。新しい話を聞けたし、ネットワーキングもうまくいった。もうなれてきたが、60以上の研究所が参加しているが日本人というかアジア人は僕だけだった。ここでいろいろやっていることを日本の人にも伝えたい。…

「食料危機とバイオ燃料」再考

数日前にBBCから「アフリカのバイオ燃料の将来はどうなのか」聞きたいと電話をもらった。よう「バイオ燃料 VS. 食料」の話が聞きたい感じだった。出張直前だったので、同僚何人かにメールで意見を聞いて連絡すると返事をした。そしたら、こんなニュースと議…

市場メカニズムの限界:うまいグリーク・サラダを食べて思う

普段の出張は「ドアtoドア」なのでほとんど何もみずに家に帰るが、今回は会議より一日早く来たので、アテネから簡単にいけるグリーク・アイランドの一つエギナ島に行ってみた。綺麗な海とギリシャの街。海の見えるレストランでギリシャ名物のサラダとイカの…

TIME誌の「2008年の人」読者投票

体調はよくないが何とかアテネのホテルまでやって来た。アクロポリスの見えるいいホテルだが、ラップトップのLinuxが調子が悪く。外にはいけずじまい。会議までに直さないと・・・。修理目的でインターネットを徘徊していたら、『TIME誌の「2008年の人」読者…

桜が咲きました

家の桜が綺麗に咲きました。

擬音語連発の連休

日本も連休ですが、イギリスの連休中。明日から僕もアテネ行きです。と、言っても仕事ですが。地中海のIPCCと言われるCirceプロジェクトの二回目の全体会議に行ってきます。今日は突然体調を崩して、早退してしまったので、明日無事にアテネにいけるか少し心…

「政策決定者への10の提案」から一回り

1997年に、オックスフォード大学ののレイナー氏とマロネ氏が書いた、「政策決定者への10の提案」という記事が「気候変動と意思決定」という本に載せられた。以下のリンクから全文が読める。前はかなり話題になっていたものだと思います。 The Ten Sugg…