複雑系は疑うことから始めよう

複雑系といわれる研究に興味があるし、関わったことがあるので、下記のブログで言っていることは良く分かる。

私は、「バグのないソフトウェア」を信じない。しかし、バグを報告したり、直してくれたりする人々が存在することもまた知っている。ソフトウェア、特にオープンソースは、そうやって進歩してきた。科学の進歩の様子と、ソフトウェアの進歩する過程というのは驚くほど似ているのだ。

私はだから、科学そのものを全面的に信用することは出来ないけれど、科学者たちが日日それを「デバッグ」していることを信じることが出来るし、明日の科学が今日の科学より「よく」なっていることを信じることができる。

私にとっては、それで充分だ。

しかし、私にとってそれが充分なのは、私が科学者ではないが現役のプログラマーであるからでもある。「疑うことを信じる」を体得するには、やはり実践が欠かせない。結局のところ、疑似科学が発生するのは、つまるところPDCAサイクルを端折りたいということにあるのだから。

科学者ならずとも、どこかで手を動かしていれば、疑似科学というのは不治ではあるが致命的でない病としてつきあっていけるのではないだろうか。

手を止めないこと、それが私にとっての予防措置原則の実践なのだ。>