慌しい一週間

私のブログを楽しみに待っている人がいるとは思っていませんが、もしそんな方がいましたら、更新していなくて申し訳ありません。スウェーデンに出張から帰ってきてからの方が忙しかったです。今週しなくてはいけなかった事が:

  • オックスフォード大学の二人の修士生と卒論の進み具合の確認
  • RAND Corporationと電話会議
  • ある本に載せる章の最終版の提出
  • ある学術誌の摘要の提出
  • ある学会のの摘要の提出
  • ある学術誌へ投稿する記事の確認
  • あるプロジェクトの計画書に関わる
  • あるプロジェクトのメンバー調整
  • 先週の会合のレポート提出

「ある」、「ある」、「ある」で、過去に問題になったテレビ番組「なんちゃら大辞典」のようになってしまったが、大変でした。これらの合間に、先週スウェーデンであった方々にお礼のメール、修士生への励ましと叱咤の電話、などなど。

すべてがうまく言ったとは思わないけど、まあ、よしとしましょう。ということで、ブログの更新は怠ってしまった。

それでも、うまくいったと思ったことは、エチオピアのマイクロ・インシュランス(保険)のプロジェクトにいろいろな方が手伝ってくれる事になったこと。RAND Corporationと、ミューヘン再保険財団と、オックスフォード大学の経済学部の研究者の方々が、僕のちっぽけなプロジェクトに興味を持って、手助けをしてくれるとのこと。おもった以上に研究所から予算をもらえなかったので、これは本当に助かります。

どんな人にプロジェクトという「船」に乗ってもらうかが、航海の成功に関わると思っているので、このプロジェクトも成功の兆しが出てきました。


RAND Corporationとの共同研究に備えてかれらの意思決定フレームワークを緊急で勉強しています。そこで、この本を読んでいます。

Shaping the Next One Hundred Years: New Methods for Quantitative, Long-Term Policy Analysis

Shaping the Next One Hundred Years: New Methods for Quantitative, Long-Term Policy Analysis


何度か書いていますが「堅固な意思決定」とは、不確定な将来への適応できる物である。長期的な意思決定では確率論はあまり役に立ちません。この事を、「堅固な意思決定」を始めて聞いた人にもわかりやすく説明していますし(1と2章)、現実的な方法論も書いてあります(3ー5章)。我がストックフォルム環境研究所の政策研究も大きな例として使われています。

おすすめです。

実は買わなくてもRAND Corporationのサイトからダウンロードできます。
http://www.rand.org/pubs/monograph_reports/MR1626/



最後に、実は明日何年の伸ばしていた博士の卒業式を行います。4時にシェルドニアン大講堂の前で写真撮影です!

それでは、よい週末を!

過去の「堅固な意思決定」の記事

従来の開発問題はどれだけ将来予測し、素晴らしい計画を立てるかだったが、「適応プランニング」は連鎖的な短期の意思決定と状況学習の連続である。さらに、そこに「堅固な意思決定」という物が入ると、利益率や効用の最大化だけでなしに、どれだけ将来の意思決定の節のオプションが縮まらないかも考える。

僕の関わっている、アフリカなどの貧困層が、この分野になると思います。気候変動や政治的要因など不確定性な部分が農業などの意思決定に反映する。競争は激しくないが、セカンド・チャンスもなく、失敗したら次の年の種が無い世界。

政治家と分析屋は予想が出来ないと嘆くより、国民に「多様で不確定な未来」に対応できる力をつけることに集中したほうが良いでしょう。国の判断に頼りきりになっていては、困るの自分だと思います。今の日本だと8番の地方レベルの対策も大切かもしれませんね。がんばって生きましょう!

この事もあり、「Stern review」でも、ある一定のシナリオに基づいたある一つの経済モデルの回答は信頼できないとしている。経済モデルで一番役立ちそうな事は、「定数をフレームワークにまとめること」であり、その過程でのいろいろな考察である。ここを無視して、いきなりアウトプットの「一つの数字」に執着するのは意味が無い。