「答えの無い問いに答えを生み出す」こつ

せっかく先日書いた『「答えがある問題」を探す嗅覚: 「ゆとり教育」と「博士の余剰」』木村先生に書いていただいたので、「答えの無い問いに答えを生み出す」方法というか、「こつ」をちょっとだけ書きます。意思決定の金字塔「RAND Corporation」が得意としていることです。

「答えの無い問い」は往々にして、「深い不確実な未来」関わっている。だから、答えを出そうと思っても答えがでない。「深い不確実」とは「リスク」と違って「何パーセントの確率で」起こるといいがたいこと。「サプライム・ローン問題」、「食糧危機」、「気候変動」の起こった確率を計算すること不可能だったでしょう。

この状態で「答えを出す」には、無理に「未来を予測」するのではなく*1、出来るだけ多くの未来を考えて、その未来が対応する多くの回答を考えること。


これは「リスク」と「不確実」を避けるということでなく、未来を「自分の嗅覚」で真剣に考えて、どの「不確実」が考慮に値しないか、どの「回答」がより多くの「不確実」に「堅固」であるか考ええることである。

別の言い方をすれば、一寸先しか見ていないと「多くの不確実な未来」を初めから無視することになる。


先にも書いた「ゆとり教育」や「博士の余剰」は、「一寸先」の未来しか見えなかった政策なんでしょうね。これからも「いつ」・「どこで」は分かりませんが、気候変動・温暖化で、食糧危機や異常気象は進むだろうし、別のサプライム・ローン問題がくるでしょう。「答えの無い問いに答えを生み出す」訓練をしたほうがいいですね。

追記:

ナシーム・タレブだ。彼の"The Black Swan"は昨年5月、サブプライム危機の表面化する直前に発売され、それをほとんど予言したかのようだった。昨年のAmazon.comの年間ベストセラーリスト(ノンフィクション部門)で、グリーンスパン回顧録をおさえて第1位となり、27ヶ国語に訳されている。

何でも知ってる天才君はいるんですね。

*1:もちろん、これが出来るの天才君はそうすればよい。