「温暖化」がカネになる
- 作者: 北村慶
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/09/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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真っ黒い表紙に気になって手に取った。もうすぐイギリスの個人炭素トレードの実効性プロジェクトを指揮するので読んでみた。
初めは気候変動・地球温暖化の話で、それから徐々に温暖化がお金になるか話が進んでいく。今までの重要な書籍の要約に著者の体験談が重なった感じの書き方である。
本自体のテーマは「金儲け」ではなく、どのようにして「カネをもうけよう」と考える心が温暖化に歯止めをかけることができるかである。人の倫理観に頼った温暖化防止策では効果が薄いので、この「金儲け心理」を真剣に考えるべきだろう。その意味で読む価値は高い。
後半のあたらいい経済ルールとして、売り上げではなく、どれだけ資源を使ったかで課税される考えはよんでみるといい。最後は人口増加するための権利の売買まで飛躍するが、まー話としてはおもしろかった。
日本は排出量取引の話は始まったばかりの感じだか、本当に真剣に考えたほうがいい*1。今のままで行くと、年間数百億円(以上)のお金を京都議定書に定める「排出権」の購入にあてなくてはならなくなる。本によればヘッジファンドはその日本の購入分を当てにして「排出権」を先物買いしているそうだ。これでは出来レースなので、日本政府が思っているより高い金額で「排出権」を買わなくてはいけなくなるかもしれない。このあたり、環境的でなく経済的に恐ろしい。
けっこう簡単によめるし、お勧めですよ。