政府、1000億円超出資へ・温暖化対策の国際基金

「政府、1000億円超出資へ・温暖化対策の国際基金
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080303AT3S2901A01032008.html

 政府は1日、米英とともに創設する地球温暖化対策のための多国間基金について、3年間で1000億―2000億円を出資する方向で検討に入った。日米英を合わせた資金規模は総額5000億円程度と、気候変動対策目的の基金としては世界最大となる。スペインなど他の先進国も支援に前向きとみられ、7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)での最終合意に向け、調整が本格化する。

 多国間基金の創設は、風力・太陽光といった環境に負荷の少ない発電技術などを途上国に普及させるのが狙い。基金発電所などの大規模プロジェクトに出資し、それを呼び水に民間金融機関などの出融資を引き出す仕組みだ。世界銀行が事務局機能を担う。(02日 07:00)


日本政府は1000億円地球温暖化(気候変動)対策にお金を出すそうだ。大きな金額である。日本政府の対応に拍手したいが、一言、二言言わせていただきます。

  • 一言目:

気候変動対策の国際基金はGEF(地球環境ファシリティー)というものがある。世界銀行やUNDPなどを通じて気候変動に必要なプロジェクトをお金を出す為のシステムである。今回の日本の1000億円超出資は、これとは別の物件で、米英と独自に設置する物である。これは、ある意味問題だろう。アメリカが気候変動で独自の路線に向かっていっている節があり、今回この様な独自の国際基金を設立することはさらに足並みをそぐわなくする恐れがある。

聞いた話によると、GEFの基金をGEFの審査なしに使えるようにしようとする動きもあるそうなので、これまた足並みが崩れそうな感じがする。GEFを「十分な基金」(Good Enough Fund)*1などと冗談と皮肉をよくいっていたが、ほんとに皮肉になってしまいそうである。

  • 二言目:

気候変動対策にお金が足りないと良く言われている。だから、どんどん援助の予算が組まれることは良い。しかし、別の問題点として、こんなに大量なお金を本当に発展途上国の人たちが使っていけるのかといった問題もある。

とりあえず、今回の基金は使われ方と目的がはっきりしていることは評価できる。大規模プロジェクトを受け持つこの「多国」の企業や団体ばかりに仕事やお金がいくのではなく、地元民や団体に最終的に役に立ってくれること願います。

*1:ほんとはGlobal Environment Facility