マイクロファイナンスの何が問題なのか?

長いことブログを書いていなかったが、久しぶりに書いてみようと思う。

昨日、マイクロファイナンスの業界で長いこと働いていたMalcolm Harper教授の講義を聞きにいってきた。彼は昨年、”What's Wrong With Microfinance?”http://www.amazon.co.jp/dp/1853396672を書いて講義にひっぱりだこのようだ。

講義の内容はかなり過激で、傍聴者の中にはあからさまに怒りを表している人も多くいた。要点をまとめると:

もう少し細かく書くと、現在マイクロファイナンスを必要としている人(最貧困層)にマイクロファイナンスが行き届いていない。しかし、これはこれでいいことなのかもしれない。マイクロファイナンスからお金を借りている人々の多くは借金で苦しんでおり、インドではそのため自殺する人が後を断たない。ある意味、日本のサラ金事情と似ている。

本来、マイクロファイナンスは貯金を奨励するシステムであった。それが借金ベースになったあるポイントがあるはずです。話題になったのが、国際機関からの金銭的サポートが引き金になったのではないかとのこと。マイクロファイナンス機関としては、大量のお金が入ればそれを配る(”借金”)事で事業を拡大できる。

あと、男女間でのマイクロファイナンスへの参加率や成功率の話も興味深かった。企業参加のマイクロファイナンスでは、堅実でお金を酒飲みにしない女性はいいカモであるとのこと。女性の自立の為に始まり、95%のマイクロファイナンスが女性に使われている。しかし、マイクロファイナンスで成功するには、バナナ売りなどの堅実は行動では道は開けない。


問題の解決策として:

などが上げられた。最後に彼は傍聴者に、「君らの多くがマイクロファイナンスを将来のキャリアにしないことを望む。マイクロファイナンスは絆創膏の様は一時しのぎ対策で、長期的なものではない。」と締めくくった。



かなり、強烈なメッセージである。

せっかくオックスフォードに住んでいるだから、また時間がとれたら講義に出たいと思う。


昨年は9月から1月まで中国、ドイツ、南ア、バリ、日本と飛び回ってしまい。ほんとにいそがしかった。特にCOP13の準備で11月と12月はかなり焦った。今のところ少し落ち着いているが、そのうちすぐプロジェクトに追われる日々になるだろう。あまり肩肘張らず、暇を見つけて興味のあることをたまにここに書いてみるかもしれません。