3000億円を無駄な公共事業のトッピングに使わないで

参院選が終わり、政府の政策がどうなったのか、ユーラシア大陸の反対側の島にいても心配です。

公共事業費用は増えはしなかったものを削減は3%だそうです。

  • TBS News 「公共事業費3%削減で一致、諮問会議」

http://news.tbs.co.jp/part_news/part_news3627390.html

その代わりなのか、教育改革、地域活性化、環境などを対象に、総額3000億円かそれ以上のの特別枠を設ける方針なのだそうです。

http://www.asahi.com/politics/update/0803/TKY200708030002.html

http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20070803-1



特に、地域活性化、環境対策が公共事業の代わりに使われないことを願っています。


環境対策にかかる費用とは大きくふたつにわけられるだろう:

  1) 新しい環境技術への投資

  2) 環境問題を軽減するための具体的で、実用的な対策



長い目で見たら、「新しい環境技術への投資」は大いに賛成。真の意味の「環境立国」の為には必要な事。今でさえ、日本は環境対策技術の水準は高い。うちのストックホルム環境研究所の本部でも、一時期、日本を含む東アジアと北欧の環境技術のイノベーションについて研究をしようか考えていた時期があったぐらいである。と、いっても、この時点ですでの5ヶ国程度名前が出ています。そしてさらに、ドイツやオランダが今かなりアグレッシブに環境技術に力をいれているので、うろうろしていたら、未来の環境先進国から置いていかれてしまうかもしれません。頭一歩でる為にいま「新しい環境技術への投資」に力を入れるのも大事でしょう。(正直いうと、イギリス並に直接「環境ビジネス」へ力をいれてもよいと思うのですが、それはまた今度。)



問題なのは二つ目、「環境問題を軽減するための具体的で、実用的な対策」は無駄な公共事業の生まれ変わる可能性があります。

国連や世界銀行から環境対策を支援するしくみとして、地球環境ファシリティー(GEF)というものがある。GEFは公的事業が環境対策を考える為の追加資金を払うしくみになっている。なんだか、今回の政府案と似ている気がします。

問題なのは日本の公共事業は無駄な物がおおく、その無駄な公共事業が環境対策を考慮するために政府がお金を払ったら、それの環境事業も無駄になってしまいます。

昔は日本の海岸が砂浜で守られていたことを考えると、本来、環境対策にはそれほどお金がかからないものだと思います*1。公的テトラポット事業で海岸を守ることにして、温暖化の海面上昇でさらにテトラポットを積み上げる必要がでてくる。なんだか、どこかのロジックが間違っている気がします。公共事業が多すぎる日本では、無駄な公共事業を減らしたほうが、環境対策に良いだろうし、税金の無駄も防げます。本当に3000億円が無駄な公共事業のトッピングに使われないことを願っています。


最後に、風力発電を国立公園などにつくる規制緩和は先送りになったそうです。

http://www.asahi.com/politics/update/0802/TKY200708020343.html


イギリスでも、風力発電の建設物による、視覚的公害が議論されています。この問題は議論されて然るべき、しかし、「美しい国」をめざす安部首相に視覚的公害は我慢できるでしょうか。見た目だけでなく、中身の美しさも議論してください。