グローバル・ディミングによる地球の寒冷化作用 パート2
昨日の続きで、グローバル・ディミングによる地球の寒冷化作用の話を書きます。
簡単なまとめです:
- 目に見える排気に公害によりグローバル・ディミングがおこり、地球の寒冷化現象が起こります。
- 目に見えない二酸化炭素の排気により地球温暖化がおこります。
- それなら、排ガス規制をしなくて、グローバル・ディミングを地球温暖化を止めればいいのではないか言うこともいえます。
しかし、ここで見逃している問題は、グローバル・ディミングや温室効果ガスでおこる問題点は、気温の変化だけでは無いということです。気温の変化以上かそれ以上に深刻な問題点は、台風などの天候による災害の深刻度合が増してきていることである。
ちょっと古いが手元にあった資料を見ると、例えばアメリカの暴風による災害は増えてきている:
(米国) | 60年代 | 70年代 | 80年代 | 83年から92年まで(10年) |
---|---|---|---|---|
暴風による災害 | 8 | 14 | 29 | 31 |
経済的な損失(億ドル) | 23 | 34 | 38 | 88 |
保険の損失(億ドル) | 5 | 8 | 19 | 52 |
つまり、これらの目に見える・見えないガスによる天候の影響は、平均値で観測する気温の上昇だけでなく、変化の振り幅でもある天候災害にも目を向ける必要がある。
結論として、グローバル・ディミングで温暖化は避けられるかもしれないが、結果的に天候の災害を防ぐことはできない。温室効果ガスの削減という根元の問題を解決すること無しに、温暖化を避けることはできないだろう。
日本語ではこれらの気候の問題を「地球温暖化」とよく言われるが、本当は「気候変動」と解釈して、気温の温暖化と天候災害の両方を考えるべきだろう。気候の問題をしている研究者は、「気候変動」の単語を「地球温暖化」に比べてをつかう度合が大きいと思う。これはある意味、研究者と一般メディアの認識、注目度の違いだと思う。
写真を張りましたが、Google Trendsで「気候変動」と「地球温暖化」の検索率を日本語と英語で比べてみたら、「地球温暖化」のほうが断然大きかった。
・・・ちょっと・・・ショックでした。研究者として「気候変動」もっと普及活動をしなくては。
日本語で「気候変動」の検索件数なんか、Google Trendsに引っかかりもしない・・・。