「水道会社が訴えられるリスク」の知識点

今日は、イギリスの水問題を修士論文にしているオックスフォード大学の生徒とミーティングした。指導教官としての関わっているのは今年は彼だけだ。彼はかなり優秀で、それほど手がかからないが、今日はなんだか、深刻そうであった。

水道会社で働きながら、その企業の社会的学習(social learning)を調査するはずだったが、土壇場でドタキャンされて、修士論文を変更しなければならなくなったとのこと。

とりあえず、修士論文で取り組みたいことは:

  • 気候変動への適応問題
  • 水資源がたりなくなる場合の問題
  • 気候変動モデルが与える不確かなリスクの認識及び、意志決定の問題
  • これらの状況下での、水道会社の活動問題

今日のミーティングには水道会社に働くコンサルタントに来てもらっていたので、これらの点である程度アイデアをもらう事にしていた。社会的学習の話は研究活動的にはいいけど、使い道がないんだよねと、いわれてしまった。しかし、ある意味、初期の計画が崩れて社会的学習から離れることは、彼には良かったかもしれない。

水道会社がとらえるリスクの話になったとき、その修士生が「水がたらなくなくリスク」しか話していなかった。昨日のブログで書いた、その上の段階の「企業が訴えられるリスク」の話を僕がしたら、コンサルタントも自分のボスも乗ってきた。いがいにみんな「水がたらなくなくリスク」しか考えていなかったようだ。

初めのリスクしか考えない理由には、水道会社が「水を確保することを使命して感じて活動している」といった、先入観がある。もちろんそうなのだろうが、「企業が訴えられるリスク」があるために、彼らは真剣に水資源の確保を行っていると考えてもおかしくはないだろう。この二番目のリスクが存在するかどうかは、昨日書いた知識点(knowledge points)が存在するかどうかが決められる。「気候変動で南イギリスで水資源がたりなくなる」といった「知識」がある時間「点」で成立している可能性が高いなら、その水道会社が「企業が訴えられるリスク」を真剣に考えている可能性がある。別のいい方をしたら、もし彼の修士論文が、その会社に知識点が存在しているかどうかを示すことは、「企業が訴えられるリスク」を考える必要があるかどうかを考える上で、役立つ情報になる。

彼の修士の一部に過ぎないが、この質問には僕も興味がある。もう少し「知識点」といった考えを勉強してみよう。


明日は、イギリスの国際開発省の人とミーティングで、ロンドンまでいかなくていけない。スーツを着なくてはいけないが、最近はこちらも暑いのでクールビズといきたいが、理解してくれるだろうか。

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