グラミン・ファウンデーションの過去5年とこれから

グラミン・ファウンデーション(GF)に今日到着。はじめにGFの過去5年と今後の計画を聞いたのでまとめる。

グラミン・ファウンデーションは1997年にワシントンに作られたマイクロファイナンス関連の機関。名前の使用やはじめの投資などをグラミンから受けているが、グラミン銀行とは一線と置いている。その為、グラミン銀行とは別の哲学やアプローチを持っている。例えば、GFはマイクロファイナンス以外の活動も視野に入れている。アジアでは香港がHQだが、実質フィリピンが活動拠点になっている。


グラミン・ファウンデーションのその他の説明は、彼らのWebに載っているので省きます。www.grameenfoundation.org/


GFの過去のアプローチは、ターゲットの国を決め、そこの5つぐらいのMFIにターゲットをしぼり、彼らの活動をサポートする。サポートする内容は大きく分けて、ファイナンス・プロダクトと、テクノロジー。


ファイナンス・プロダクトのサポートとは、MFIにビジネスプランをださせて、それが良ければ、直接投資する。その時に同時にマネージメントのアドバイスなどもおこなう。テクノロジーとは、Loan Trucking Systemで、これに関してはあまり説明は受けなかった。

この今までの方法は、GF側としては、あまりうまくいかなくなってきた。今までサポートしてきたMFIはとても大きくなってきたので、GFが直接投資する割合が、彼らの全体の投資金額から見て、非常に少なくなってきた。その為、彼らの投資のインパクトが薄れている。例えば、フィリピンで一番大きいMFIの一つであるCARDは20ビリオン・ペソの資産を持っている。


その為、GFは別の方法でMFに関わる方法を考えついた。直接MFIに投資する「金融プロダクトを機関」へのサポートから、「セクター」へのサポートである。サポートするレベルも金融だけでなく、ソーシャルパフォーマンス、ヒューマンキャピタルなどに広げられた。

「セクター」レベル、もしくは成長したMFIに対する、この新しい金融サービスはGrowth Grantee Programeである。

上に書いたように、古い大規模なMFIは成長したので、彼らへの直接投資はインパクトにかける。彼らが、ファンドを取ってくるべき相手は、シティバンクなど民間銀行である。そして、GFの新しい役割は保険機構の様に民間銀行のファンドの不履行を保障する事である。例えば、民間機関が100万ドルのファンドをCARDに提示した場合、その50%の50万ドルのファンドの不履行を保証する。つまり、CARDが不履行を起こした場合、シティバンクなどははじめの50万ドルをCARDではなく、GFから回収する事を約束する。

もし、不履行がない場合は、その50万ドルの保証の為に、GFはなんのお金も用意する必要は無い。もし、不履行が起これば、アメリカの裕福層が支払うことになっている。その裕福層も不履行が起こらなければ、何も支払う必要はない。今までに不履行が起こったことは無いので、誰も支払いはしてないことになる。しかし、この保証があるので、シティバンクなどの民間銀行はMFIに投資をする時に安心感を得ることができる。

GFもこの保証を仲介することで、CARDなどのMFIに、料金としてファンドの3%請求する。この料金にはアドバイス料やシティバンクなどへの交渉料も入っている。一口のファンドは500万ドルぐらいである。


これとは、別に今までの直接投資も引き続き行われている。この直接投資ののプログラムはPionner fund。


ファンドのサイズは5000ドルから300,000ドルと断然に小さい。対象は小規模で新しいMFIか、大きいMFIでも田舎での活動に力を入れているところになる。つまり、上記の民間銀行からのファンドが取りにくいところに、これらの直接ファンドが使われる。

ファンドの利回りは年3−6%で2−3年のプロジェクトである。その後、この新しいMFIはPionner fundを卒業して、Growth Grantee Programeに参加することを期待されている。

どちらのプログラムでも、金融アドバイスの業務を行うが、今現在そのサービス自体に料金はついていない。サービスの料金設定がきまったり、ライセンスの取得ができれば将来、これらの業務を独立したサービスとして立ち上げる可能性も残している。

その他、個人的な資本だけでなく、社会資本の育成にも力を入れる構えである。例えば、社会的投資はなんであるかの説明、金融レポートの書き方、レイティングに関してのワークショップを開いている。これらのワークショップのターゲットはMFIなどの需要側と、民間銀行や政府などのファンドの供給側とあわせて行われる。